今までの記事のまとめ、作ることにしました。
初育児……ならぬ育モリのいち奮闘記としてお読みください。
前提条件ですが、使用する水はカルキを抜き水槽やケースの水と水温を毎回合わせましょう。
入れ物
入れ物は浅く広いものが推奨ですが、うちは水位深めでも大丈夫でした。というかむしろ深めにしていました。
・水位浅めのメリット
水中に酸素を取り込みやすい
上陸時期が近付いたとき、幼生が呼吸や上陸をしやすい
・デメリット
同じ入れ物に水を多く張ったときと比べ、水質が悪化しやすい
・水位深めのメリット
単純に水量が確保できるため水質・水温が安定しやすい
・デメリット
上陸するときの陸地や水位に気を遣ってやらないと幼生が溺死してしまう
水中に溶け込んでいる酸素量の差はわかりませんが、うちでは水質水温を安定させるほうが生存率高めでした。
ちなみにブクブクやフィルターは基本ダメです。おちびさんは泳ぎがうまくない(底でじっとしている)ので、水流に巻き込まれて死んでしまいます。
上陸後は空気穴を開けた密閉容器やコバエシャッター付きの虫かごなど、とにかく小さな隙間(空気穴除く)のない飼育ケースで育てています。
エサ
うちでは幼生は毎日1回ずつ、幼体(上陸後)は1日〜2日に1回ぐらいのペースでやっています。
多すぎると水質が悪化し、少なすぎると共食いを始めるので難しいですが。
ここが死因になることが多いと思います、気張りましょう。
孵化して1週間ぐらいまで
・何も食べません。
どうしても気になる方や、未熟な子が溶けるように死んでしまう……という場合はPSBを使用することで生存率が上がります。
目安は水が薄いピンクに染まるぐらい。
PSBとはアクアリウム経験者にはおなじみ(?)の、あのピンクの臭い水。他にも何とかバクテリアが云々みたいな商品でもいける……かも?試すのは怖いですが。
直接エサになるわけではありませんが、水質の悪化を緩やかにしエラから直接栄養を取り込める(らしい?)感じみたいです。
生存率はこれがあるのとないのとでは大きく変わりました、特に未熟おちびには必須と言ってもいいほどです。
孵化から1週間ぐらい〜1ヶ月
未熟児として生まれてくる子もいれば、でかくなってから生まれる子いるので、孵化から1週間ぐらいというのはあくまで目安。
画像のように安定して自立できるようになった頃にティッシュや茶漉しなどで濾して与えます。
できれば塩抜きも。うちは水量多めで管理しているので気にせずドバドバ入れてますが……
食べ残しは2時間ほどで捨てちゃいましょう。こまめに管理することで水質維持に役立ちます。
孵化から1ヶ月〜ミジンコが口に入る大きさになり次第
だいたい小さな前足が生えてきます。よちよち歩き、本当にかわいいですよ。毎日じっくり観察してみてください。
・ミジンコ
圧倒的おすすめ。入れっぱなしでも死なないし勝手に増えます。とはいえうちでは自家繁殖がうまくいかず、
おちびの食べる速度>>>>>増える速度
で、1ヶ月に1回ぐらい買い足していました。となるとお財布が地味に痛い。
ブラインシュリンプとの選択でいいと思います。ブラインのほうが栄養価が高く、食べたあとお腹がオレンジになるのでわかりやすいです。
ただ沸かすのが面倒くさい。あと1回沸かすと死ぬほど余るのでもったいない。
餌食いによってはブラインとミジンコの編成で数ヶ月、下手したら上陸ごろまで粘る可能性があるので覚悟しましょう。
孵化から2ヶ月ごろ〜上陸まで
あっという間に前足が生え、後ろ足が生え。
ウーパールーパーみたいになってきた頃です。正直1番かわいい。いや2番かも。いや一生かわいい。
足が生える時期が1番共食いが多いので水草を入れるなど隠れ家を増やしましょう。
1番餌に困るのに1番共食いする大変な時期ですが、頑張りましょう。
・人工飼料
栄養価が高いので、人工飼料を食べだしたら餌の数や頻度を落とします。消化不良を起こすこともあるのであげすぎ注意です。
うちの子は食べました(個体差あり)。爪楊枝の先を丸め、イモリやウーパールーパー用の餌をふやかしたものを刻み、目の前でフリフリと。
メダカの餌なんかももしかしたら興味を持つかも。相当の努力と試行錯誤がいりますが……
最初は食べませんが、お腹が空いたときや気が向いたとき、ある日パクッと食べる……かも。
↑これは気が向かなかったとき
↑これは気が向いたとき
うちでは視認性のいい透明なケースに1匹ずつ隔離し、味を覚えさせて本水槽に戻す作業を地道〜〜〜に行い、全員餌付けしました。
早い子だともしかしたら前足が生えた時点で食べてくれるかもしれません。
・赤虫
出ました赤虫。ただ、足が生えそろったばかりのおちびにとっては大きいので刻むなどするといいです。
ただ刻むと消化に悪そうな皮しか残らなかったり、見向きもしなかったり。丸ごと与えても怯えて食べなかったり、食べても大きすぎて吐き戻してしまったり。
とにかく大変です。うちは赤虫この時期ほとんど与えなかったなぁ……
基本はミジンコですね。ブラインはもう小さすぎますが、数の暴力でどうにか乗り切ることもできます。
人工飼料を食べてくれるならそれにこしたことはありません。ただ、相当数のおちび1匹1匹に与える……となるとかなーーーりしんどいのでお覚悟を。かわいいですけどね。
上陸直前〜直後
わかりにくいですがエラがかなり小さくなっています。
水位は浅め、登りやすい陸地(鉢底ネット、切ったスポンジ、砂利や砂等)あり、蓋のできる容器に入れてあげましょう。
元の水槽+水草でもいいのですが、私はそれで溺死させてしまったり脱走させてしまったり(無事捕獲)……と色々トラウマがあるので別容器に移しています。
この時期は何も食べません。何も食べなくなり、脱皮をし。上陸に備えます。
ちなみにうちの子はスポンジに登った後
すべてを無視して立派に壁を登りました。密閉容器か上陸までの見守りが推奨です。
ここまで来たら一段落。お疲れ様です。
上陸から1週間ぐらい
湿らせたキッチンペーパーやティッシュなどを敷いた密閉容器(脱走できない程度に空気穴を開けたもの)で管理します。
100均のタッパーや昆虫用プリンカップ数個、フタにキリや千枚通しで穴を開けたものを用意しておくと便利です。
体表がなんかヌルッ……としているうちは何も食べません。
↑左の子(事故で尾を切ってしまいました)と右の子を比較すればわかりやすいです。
マットな質感になったら初めての餌をあげるときです。
上陸1週間後〜
ここからは私も現在進行形で苦戦中です。
人工飼料の味を忘れてしまう子が多く、今まで使っていた爪楊枝やピンセットにすら怯えて逃げる子があとを絶ちません。
うちで与えてみたエサごとにメリットデメリットを書き連ねていきますね。
☆トリニドショウジョウバエ、キイロショウジョウバエなど餌用コバエ(飛ばないもの)
・大きさ
theコバエ
・食いつき
足も遅く食べやすい◎
・コスパ
初期費用が高いが◎
・メリット
増やしやすい。コオロギと違って噛まない。培地を瓶に入れ種親を入れ、放置するだけで増える。一口大で食べやすく、栄養剤など粉末をまぶしても落ちにくい
・デメリット
エサの匂いが臭い。初期費用が1000円~5000円はする。見た目があまりにもハエ。
コオロギなどと違ってプラスチックやガラス面も登れるので脱走注意
☆コオロギ(ヨーロッパイエコオロギ)
・大きさ
2mm(ゴマ粒)ほど〜自在
・食いつき
大きさによる。一口大なら問題なし。あまり大きいと触角を怖がる可能性あり
・コスパ
そこそこ。ピンヘッドと呼ばれる初令〜2令の幼虫を入手できれば楽だが管理や輸送がややつらいか
・メリット
大きさの幅が広く流通量も多いため、成長度合いによって使い分けやすい。自家繁殖もできるため、他にも爬虫類や両生類を飼っている人なら特にオススメ。
・デメリット
ショップなどで売られる「Sサイズ」の幅が広いことがある。3mm以上の個体になってくると触角を怖がることもあるため注意
☆レッドローチ
・大きさ
3mmほど〜自在
・食いつき
足が速い、触角が長いのダブルコンボでほとんど食べられない。逃げられてしまう。
・コスパ
まあまあ
・メリット
現段階(生後1年未満)食べなかったので不明。アクリルやガラス面を登れなくて空も飛ばないのだけがメリット……かも。あと丈夫
・デメリット
見た目がゴキブリすぎる。ガチのゴキブリですし。爬虫類にはいいんですが、イモリの赤ちゃんには向いてませんでした
☆冷凍赤虫
・大きさ
幅広いが、1ブロックの大半がおちびにとってデカイ
・食いつき
慣らすのにコツがいるが◎
・コスパ
◎。ただ1回溶かすとおちびの頭数によっては死ぬほど余ってもったいない
・メリット
王道。食べるようになったら食いつきはトップクラスかもしれないし、食べるようになってから明らかに体格がよくなった
・デメリット
慣らすのに手間ひまかかる。また上陸直後だとピンセットや赤虫に怯えて食べないことが多い。上陸後、1ヶ月ほど待ったほうが吉……かも
おちびがこれくらいの大きさなら怖がらずに食べてくれます。
☆ワラジムシ(ホソワラジムシ)の赤ちゃんやトビムシなど地表面の虫
・大きさ
極小〜一口大
・食いつき
◎
・コスパ
☓。どちらも高い。ワラジムシの赤ちゃんに至ってはさらに繁殖待ちの時間がいる
・メリット
カルシウムやミネラルを気持ち摂取できる……気がする。口が小さいおちびでも食べられる。放っておいたら勝手に増える
・デメリット
小さすぎて回収が面倒くさい。外にいるものは寄生虫や雑菌がいるかもしれないので注意。しかし買おうとするとどちらも1000円ぐらいするのでその1000円でコバエ買ってほしい。
☆人工飼料
・大きさ
自在
・食いつき
慣れたら◎
・コスパ
💮
・メリット
ふやかして爪楊枝やピンセットで与えるだけ。超手軽でコスパも良く、人馴れもする。
うちで与えているのはレオパブレンドフード。ネットやTwitterで見る限り、カメプロスプレミアム(エビ入り)など、昆虫やエビが主原料で匂いが強いものは人気の傾向あり。
もちろんイモリやウーパールーパーの餌でもいい
・デメリット
慣れるまでの時間が個体によってはかなり長い。どの餌でも共通ではあるが、食べさせすぎると消化不良で死ぬ可能性がある
ぷりぷりっ
あとは与えたことないですがイトメ(イトミミズ)おすすめみたいです。
生きてるやつの管理は難しそうですが、食いつきは良さそう。冷凍もあるし、今度試してみたいですね。
とりあえず我が家ではそんなこんなで苦戦中です。ちなみにこのあと、何ヶ月か何年かあとには「もう1回水中生活をできるようにする」という難関が待ち受けていますが……
生後1年、あと2ヶ月で迎えます。
死なせてしまった子がたくさんいるし、管理もこれ以上は難しいので来年は挑戦しないかも。
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久々のおちび。
— ごあごあ (@goagoa_fish) 2022年12月20日
ご飯をコバエやコオロギから赤虫に変えたらもりもり大きくなり始めた!
バランス良く色々なご飯を食べさせてあげたいわね🍚 pic.twitter.com/vDbHQLtw01